離島応援ナースを探しても、小児科の求人はごくわずか。
あっても病院の一部、小児外来、訪問看護の一部くらいです。
私は重症心身障がい児の経験があったので、高齢者施設よりは抵抗の少ない障がい者支援施設を選びました。
ただ、実際に行ってみると利用者の多くは高齢者。最初は戸惑いましたが、働くうちに多くの学びがありました。
🏢 障がい者支援施設とは
- 2006年の障害者自立支援法で、身体・知的・精神・発達障害のサービスが統合されて誕生した施設種別。
- 現在は障害者総合支援法に基づく入所型施設で、日中は「生活介護」、夜間は「施設入所支援」をセットで提供。
- 介護保険の対象にならない障害者が入所し、年齢を重ねることで高齢化していくケースが多い。
- 医療的ケアが必要な人も多く、看護師の存在は欠かせません。
- 施設には生活支援員やサービス管理責任者が常勤し、多職種で生活を支える場になっています。
👉 制度上は「障害者施設」ですが、現場は高齢者施設に近い役割を担うケースがほとんどです。
👥 入所者の特徴
- 知的障害のある高齢者
→ 若い頃から施設に暮らし、そのまま高齢化。加齢に伴う認知症も見られる。 - 身体障害+高齢化
→ 車椅子・寝たきりの方も多く、嚥下障害や褥瘡リスクが高い。 - 精神疾患を合併した方
→ 自殺未遂で脊髄損傷になった方など、精神・身体両方のケアが必要。 - 医療的ケアが必要な方
→ 経管栄養、気管や口鼻腔吸引、在宅酸素など。急変時は救急搬送が必要になる。
👉 つまり「障がい」だけでなく、高齢化や複合的な医療課題を抱えた方が多いのが実態です。
🩺 看護師の仕事・役割
医療ケア
- バイタルチェック、服薬管理
- 経管栄養、吸引、留置カテーテル管理
- 褥瘡予防・処置、嚥下観察
健康管理
- 定期受診の付き添い
- 医師の回診対応(情報共有・処置サポート)
- 感染症予防・対策
生活支援
- 食事・排泄・保清の介助を介護職と協力
- 体調変化を見つけて支援員に共有
- レクリエーション中の健康見守り
多職種連携
- 支援員・介護職・サービス管理責任者との情報共有
- 医師や家族への橋渡し
- 「生活を支える看護」をチームで実践
🌱 働いてみて感じたこと
- 小児経験しかなくても、観察力や変化に気づく力は大いに活かせた。
- 「生活を支える看護」の大切さを実感。
- 老人施設への抵抗があったけど、障がい者支援施設での経験が高齢者看護に踏み出すきっかけになった。
✅ まとめ
- 離島応援ナースでは小児求人は少ない
- 制度的には「障害者総合支援法」に基づく施設だが、実際は高齢化した入所者が中心
- 利用者は知的障害・身体障害・精神疾患・医療的ケアを抱えた方が多い
- 看護師の役割は「医療ケア」「健康管理」「生活支援」「多職種連携」
- 抵抗があっても、看護の幅を広げ、自信につながる経験になる
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